今回はスカルピー粘土でスパイファミリーのヨルさんを作ってみました。
スカルピー粘土の扱いには慣れつつありますが、一部やり直しも多かったです。
もくじ
完成までのダイジェスト動画
完成までの動画をダイジェストでYouTubeにてupしているので、画像で分からない部分があれば参考にしてください。
今回使用した材料・道具
アルミワイヤー
おなじみのアルミワイヤーです。
2ミリのアルミワイヤーをワイヤー人形の芯材に使っています。
1ミリくらいのワイヤーは髪の芯材に使っています。
スパチュラ(粘土用のヘラ)
手指では造形できない細かい部分も、スパチュラを使えばどんな形状も作ることが可能になります。
ステンレス製なので錆びることはなく、一度購入してしまえば半永久的に使える道具です。
実際によく使うのは2~3本になりますが、人それぞれお気に入りの一本は違うようです。
グレイスカルピー粘土
アマチュア、プロ問わず幅広く使われている高級粘土グレイスカルピー粘土です。
きめが細かく、思った通りの造形が可能で、納得のいく形になるまで固まることはありません。
円高の影響で気楽に使えなくなってきましたが、それでも素晴らしい粘土には違いありません。
全長20㎝以下の小さめのフィギュアであれば3体くらい作れるのではないかと思います。
スカルピー粘土を固めるにはヒートガンや温度調節可能なオーブンが必要です。
粘土を固めるためには、6ミリの厚さではオーブンなどで130度の温度で15分間熱する必要があります。(温度調節できないトースターや電子レンジは使えません)
2~3ミリ程度の厚さではヒートガンを使って固めることができます。(ドライヤーは不可)
ミニヒートガン
スカルピー粘土の薄い部分を固めるために使用しています。
ドライヤーのような構造で、熱風をピンポイントに当てることができます。
近くに当てすぎると、粘土が焦げてしまったりするので、距離感や熱風を当てすぎないように注意する必要があります。
オーブンレンジ
スカルピー粘土を固めるために使用しています。
フィギュアの全身を入れて加熱することが多いので、庫内が広いものがおすすめです。
加熱時も風を循環させて庫内温度を一定に保ってくれるため、粘土の温度ムラもなく焼くことで、焼成後に粘土がもろくなることを防止することができます。
トースターでも温度調節のあるもので焼くことが可能ですが、ヒーターの近くにある粘土が焦げることがあるので、アルミホイルでカバーして監視しながら加熱する必要があります。
粘土でフィギュアを作るための基本道具の記事もあるので、参考にしてみてください。

フィギュアの大きさやワイヤー人形を作るための下絵を用意する

前面と横方向からの女性の下絵を描きました。
女性ならこの下絵を使い回せるようにします。
ワイヤー人形を作って芯になる部分はアルミホイルで巻いておく

下絵の大きさに合わせてワイヤー人形を作りました。
長さはカットする余地がありますが、関節の位置、肩幅、胴体と足の長さ、全体左右対称かなど、この段階で違和感のないようによくチェックします。
ワイヤー人形のバランスが崩れていると、粘土を盛っていく段階でワイヤーがはみ出てきたり、最後までバランスが崩れたまま苦労することになるので、時間をかけてポーズを作っていきます。
頭部や顔を造形する


楕円の粘土に顔面の平らな部分を作ります。
目・鼻・口にあたりをつけて、造形を始めます。
目の部分を深めにくぼませておきます。


目のくぼんだ部分に、眼球、上まぶた、下まぶたの粘土を付けます。
まぶたを意識しながら目を造形し、耳を付けて鼻や口を整え、顔の輪郭、あごのラインを出していきます。横から見ても違和感のないように仕上げます。
以前は顔の造形がうまくいかなかったですが、目の部分が作れるようになりました。

頭部の造形が出来たら胴体につけて、首筋のラインを作り、結合部の違和感がないようにします。
胴体を作っている時の写真や動画を取り忘れてしまい、素体を作っている画像はありません。。。
粘土素体が完成
粘土素体が出来ました。

後ろ方向から

前方向から

身体正面から
手足がやや長く見えますが、服を着せたときのことを考えてました。
仕上がりではあまり気になりませんが、こうしてみると、腕が太く、胴体は短く感じます。
最終的には腕はやすりがけで細くして、太ももはボリュームを足しました。
素体が出来たら、オーブンで130度に設定して、45分間加熱します。
スカルピー粘土は温度が下がる過程で固まっていくので、粗熱がなくなるまで触らないようにします。
靴(ヒール部分)と台座を合わせながら作る
今回はフィギュアと台座をワイヤーで固定せずに、両足を台座に埋めて固定する形にしようと思います。


保管に失敗した固まりかけた樹脂粘土をぶつ切りにして台座に利用することにしました。
足の形に合わせて台座を作ります。
粘土を配置したら、ボンドで固定して、フィギュアがバランスよく立つようにします。
足の位置が決まったら、フィギュアと一旦放して乾燥させます。


台座が固まる前に靴のヒール部分を先に作ってしまいます。
ヒールをしっかり台座に埋めることでフィギュアを安定させることができます。
フィギュアを立たせながらヒールの高さも調節してカットして、ヒールが出来たらヒートガンで固めます。


台座の表面に軽量樹脂粘土を上から盛り伸ばしていきます。
下地の樹脂粘土の隙間を埋めて、全体を軽量樹脂粘土で覆っていきます。
足のヒール部分をしっかり押し込んで、そのまま台座を乾燥させます。
インナードレスを着せていく


インナードレスを着せるようにスカルピー粘土を薄く伸ばしたものを、身体に貼っていきます。


インナードレスはミニスカートくらいの丈にして粘土の境界線をなじませて平らにします。
インナードレスのしわを付けていきます。

服のしわを付けるコツ
私もちゃんと把握しているわけではないですが、簡単に説明します。
「しわは出っ張った部分には付けずに、凹んだ部分に付ける」ということです。
インナードレスだけで言えば、お尻や太もも、胸にはしわを付けずに、胸の谷間やふくらみの下、脇下、背中あたりを重点的にしわを作ります。
間違った場所にさえしわを作らなければ、それなりにしわに見えるので、遠めに見たらしわに見える、というところから挑戦していけると良いと思います。
ニーハイブーツを作る


薄く伸ばした粘土をニーハイブーツ丈に貼り付けます。
粘土を平らにしたら、スパチュラでしわを付けていきます。


足の関節の内側と足首を重点的にしわを付けます。
しわを指や溶剤などでなじませて、ヒートガンで固めます。

120番のスポンジヤスリで、ヒールのエッジを付けてブーツは完成です。
髪の毛の作り方


髪の土台に粘土を薄く被せます。
先の方を尖らせた粘土を前髪から貼っていきます。
前髪が長くなりすぎず、短くなりすぎない位置、左右の長さのバランスが悪くならないように注意します。


後ろの髪はヨルさんのフィギュアを作る人によっては様々な形をしています。
私は後ろ髪は三つ編みをクロスさせたような形にしたいと思います。



①~③の画像はヨルさんのヘアスタイルがどうなっているのかを作者が描いた図を参考にしています。
ヨルさんの髪型は後ろ髪を均等に分けて、それぞれ斜め前方向に垂らし、顔の横で束ねてヘアバンドなどで留めているスタイルです。
まっすぐに前方向へ垂らすこともあれば、三つ編みをクロスさせていることもあるようなので、三つ編みで作っていこうと思います。

下から斜め上に三つ編みの形を作っていきます。
粘土で三つ編みはせずにスパチュラで溝を作りながら三つ編み風に作っていきます。
一応髪の先までのつながりを意識して作ります。
とはいえ、作っている時は気が付かなかったですが、三つ編みの方向が逆になってしまいました笑

それなりの髪型にはなりました。
後から見てみると色々とやり直したいです笑
装飾小物など
髪がひと段落したところで、髪の装飾や、ブーツのライン、ドレスのラインなどを付けていきます。


髪飾りは小さなバラを作り、葉のような飾りを2本付けたものを、耳の上にくっつけます。
ブーツの上のラインを一本ずつ貼っていきます。


首元のラインや、ドレスの紐などのラインも付けていきます。
ここまで細い粘土を使うと割れやすくなるので、なるべく身体に付けるようにします。(一回折れてしまいました笑)
ロングスカート部分
ロングスカートの粘土の素材をどうするかを悩んだのですが、呪術廻戦の七海さんのスーツを作った時に手荒く扱わなければ大丈夫だったので、今回もスカルピー粘土で作って、補強することにしました。


ロングスカートを風になびくようにするため、下の方に垂れないように腰より下にアルミホイルを巻いて、スカートを支える台を作ります。


円形にカットした粘土をウエスト周りに付けて貼り合わせ部分を平らにします。
粘土がちぎれないように、風になびくように曲げていきます。


手の届かないところはヘラなどを使ってドレスのしわを作ります。
最終的に不自然さがないか細かくチェックして、これで良いと判断出来たら、30分程度かけてヒートガンでじっくりと固めていきます。
ここで加熱が中途半端だともろく割れやすくなってしまいます。
スカルピー粘土が熱い状態のときはまだ柔らかい状態なので、粗熱がなくなるまでフィギュアに触らないようにします。
粘土が固まったことを確認して、アルミホイルを取り除きます。


スカルピー粘土は固まっていても強度は強くはないので、ワイヤー芯を5~6本入れて、その上から粘土を盛って補強して再びしっかり固めます。
その甲斐あってか、その後は丁寧に扱いながらも、割れてしまうこともありませんでした。
細かい部分の修正・やり直し
全体がある程度できてきた中で、想定しなかった割れの発生や、修正したい部分を直していきます。

右側の髪には形状記憶プラスチックを使用したため、粘土を固める時の熱でプラスチック芯が収縮してしまい粘土が割れてしまいました。
これは無知であるが故の失敗なのですが、プラスチックは熱で縮んでしまうため、芯材で使いたければ空気乾燥タイプの粘土の石粉粘土や樹脂粘土の方で使うほうが良いですね。
プラ板を使う時も熱で縮む可能性を考えると、収縮が止まるまで熱を加えてから使うようにするか、加熱型の粘土にはあまり使わないようにする方が良いかもしれません。


割れてしまったものは仕方がないので、思いっきりバキッと割ってしまって、再構築していきます。
芯材はアルミワイヤーを使い粘土を巻き付けて、再び前髪と右側の髪を作り直します。


手に持つ武器の方向が不自然に見えたので、手首をカットして、方向の修正ができるようにしました。
また、武器の持ち方の指も少し女性らしく見えるような握り方に変更しました。
フィギュアとしてはここらへんで完成となります。
今回はもう少しチャレンジしてみます。
仕上げにまつ毛を付ける
今回のフィギュアは目の形まで造形しています。
ので、まつ毛までつけてしまおうと思います。
まつ毛まで付けてしまうと、着色作業まではさすがに無理かなと思いますが、ヨルさんのフィギュアは原型完成で終了としたいと思います。


このままでは粘土がくっつかないので、まつ毛を付ける前に、上まぶたに薄く粘土を塗っておきます。
小さくカットした粘土を、ゆっくり上まぶたにくっつけて、まつ毛の方向を整えます。

まつ毛は根元もしっかりくっつけて、簡単に下地から外れないようにします。

まつ毛を付けたら軽くカールさせて完成です。(カールしたのか?)
前髪がやり直したことで前よりもがたついた印象になってしまいましたが、まつ毛を付けてからではもう触れません笑
次回からは顔と髪くらいは分割した方が良いかもしれないですね。
原型完成!
原型完成です♪
今回はフィギュア自体が小さめであることと、まつ毛を付けたことで目のペイントがうまくいかないだろうと思われるので、原型のみで完成とします。










今回のフィギュア作りでは、目の部分の造形を深めていくことと、ロングスカートをかっこよく作りたいという思いがありました。
三つ編みを造形するのも悩みましたが、楽しかったです。
前回は樹脂粘土でアーニャを作っているので、こちらもご覧ください。
