もくじ
フィギュアの作りの練習や勉強ばかりしていても上達が遅くなる理由

私自身はフィギュアにかかわらず、完璧主義になりすぎて全く上達しない時期がありました。
これはイラストやマンガを描く過程で、ラフの段階でやめる、練習だと思っていても全体を描かずに終わる、描いている途中で気に入らない部分がある時点でやめてしまう、なんてことは当たり前にありました。
ペンを握っているだけマシだったとは思うのですが、そんな時期は全く上達していかなかったなぁと振り返り思います。
それはフィギュア作りでも同じことが言えると思っていて、うまくできなくて良いからとりあえず完成させることを目標にしています。
もちろん、ある程度の工程は勉強するし、上手い人が使う道具も持っていないことが多かったのですが、フィギュアづくりでは出来そうなところから手を付けていきました。
最初は「練り消しゴム」から遊び感覚で作ってみて、粘土で何か作れるかもと思って「油粘土で作る」、油粘土では固まらないので、じゃあ100円ショップの「石粉粘土」で作ってみようかな、といった感じでステップアップしていきました。

練り消しゴムで「無限の住人」の卍さん。
なんか遊びで作った割には雰囲気が出てました笑

油粘土で「銀魂」の銀さん(ホストバージョン)
油粘土が柔らかいので全身作るのは無理でした笑

石粉粘土で「斉木楠雄のΨ難」の斉木君(油粘土から石粉粘土の扱いにくさに驚愕笑)
ただ、知識として中途半場でも完成させることの方が上達が早くなることだけは知ることはできたので、完成させることをゴールにすることを目指しています。
完璧主義をやめて完了主義になろう
完璧主義をやめて完了主義になるためにはどういった考え方をすれば良いのかを紹介していきます。
自身が完璧主義に陥っていないかをチェックしながら、フィギュア作りを進めていきましょう。
始める前から勉強しすぎてしまい、スタートが遅れがち
完璧主義あるあるですね笑
本をたくさん買いすぎてしまうとか、知識を手に入れて上手くなったつもりになってしまうとか、あるんですよね。
当然、実践経験が伴っていないから、いざ実践したら思っていたよりも上手くいかず理想と現実のギャップの差が大きく膨らみすぎた結果「続かない」「何もしない」という選択をやってしまいがちです。
失敗を極端に恐れすぎる
完璧主義に陥ると、0か100のような思考になりがちです。
100点でなければならないし、100点以外は何の価値もないと思ってしまうと、気の遠くなる作業を続けて終わらないか、途中で作るのをやめてしまうかのどちらかになってしまいます。
ただ、私が完成させることを目指すようになって、かなり多くの失敗があり、基本的にはそれらも公開するようにしています。
失敗しても直せる部分は直していきつつも、粘土の素体時点でバランスが悪いなぁと思いながらも次に活かそうと完成させていきます。
失敗を多く重ねるということは、失敗を認識しているということでもあるので、次からは改善点となり繰り返しにくくなっていきます。
つまり、失敗をすればするほど上達すると考えれば、失敗は宝物であると言えると思います。
まぁ趣味のことなので気楽にやりましょう。
作品を途中で投げてしまい未完了作品が多い
作品を仕上げるつもりで作っていて、途中でやめてしまうことが多い場合は、完璧主義になってしまっていないか考えてみましょう。
未完了で投げてしまうということは、なんとなくイメージが違うとか、こういうものが作りたかったのではない、なんだか変になったからやめる、といった「漠然としたこれじゃない感」でやめてしまうことがあると思います。
つまり上手くいかない部分が具体的に何か分からないまま作品作りを辞めしまっているので、改善点が分からないまま未完了になっていることが多いんじゃないかと思います。
フィギュアを完成させることも大事だとは思いますが、ハードルを少し下げてみるとか、出来そうなことだけやってみることも大事だと思います。
現在では様々な種類の粘土が各メーカーから発売されており、使う粘土を変えたりして自分に合う粘土を模索するのもおすすめです。
詳細まで気になり時間を制限しない
これは・・・私自身はフィギュアづくりでは時間制限はしてないかもしれません笑
1日の趣味に使える範囲の時間で作っているので、1体に何時間かかったとは一概に言えませんが、ラムちゃんのフィギュアを作ったときなんかは3~4か月かかっていたことになります笑(動画編集も並行していたので実際製作期間はもっと短いと思います)
さすがに1体作るのにそんなに時間かけられないなと思って、台座を簡略化したり、扱いやすい粘土を使うなどの工夫で2週間~1か月程度で作れるようにしていきました。
もちろん早く作れるようになった部分もあるし、パーツ分割の工程を入れると逆に時間がかかるということも理解しました笑
自身にも厳しい反面、他社にも厳しくなりがち
完璧主義が全て悪いのではなくクォリティにこだわりを持ちとことん作品の精度を高められることはむしろ良いことです。
良いクリエイターほど締め切りぎりぎりまで手を加えていると言われているので、自身の実力を全て出し切る意識を持つことは重要かもしれません。
自身に厳しい側面を持っている人は、やはり他人にも高いパフォーマンスを求めがちだと思います。
そんな時は「自分にできることは他人もできる」とは思わないようにしましょう。
逆に「他人にできることは自分にはできないことがある」と知っておくことも必要です。
こんな自分にもできたのだからみんなにもできるはず!という成功本がたくさん出版されてはいますが、著者の行動は真似できないことがほとんどです笑
なぜ他人が出来ないのか?とは思わず、人それぞれには得意分野があり、苦手分野があること、その人に合う方法が必ずあります。
フィギュアを作るのがそもそも楽しくない
完璧主義になりすぎて、作っていることそのものが楽しくないという場合は、続けていても上達もしないだろうし精神的にもつらいです。
自分にもどかしさを感じているのかもしれないし、難しく考えすぎてしまっているのかもしれません。
楽しくないということは、他者から言われてやっているパターンが多いので、フィギュアを作りたいという動機は何なのか?を見つめなおす機会なのかもしれません。
外発的動機は長く続きにくい
他者からどう思われるかを気にしすぎている、他者へのあこがれで始めた、教科書通りにやろうとしすぎている、怒られたくない、お金稼ぎが動機である場合は外発的要因といえるでしょう。
内発的動機を高めていく方がモチベーションが維持しやすい
上手くなることが純粋に楽しい、好奇心が高く探求心がある、創造に対する情熱がある、など内発的動機の割合が高いかどうかで楽しさや達成感などを味わうことができます。
フィギュアづくりそのものは多くの人にとっては趣味の一つだと思います。
明確なルールは存在しないので、楽しむことを前提にフィギュアを作っていきましょう。
完成度を高めるために目的のある練習をする

女性の頭部を油粘土でざっくり作ってみる練習
ここまでの説明だと練習がダメなものであると考えてしまうかもしれません。
1体作っていく過程で、作り始めた頃と完成する頃では時間が経っていることもありますが、すでに実力差が身に付いています。
上達が速いからこそ完成させていくことが大事だとお伝えしたいのですが、もちろん練習もやっています。
練習をする場合は油粘土を使って、自分の中にある「仮説」を検証するために練習していることが多いです。

油粘土で髪型をどう作っていけば良いのか練習中
キャラクターに似せられるかを仮に作ってみたり、まつ毛を作れるのかを試してみたり、目、鼻、口の位置や髪の練習などが多いです。
また、フィギュア作りの期間が空いてしまった時などのウォーミングアップに実践の前に油粘土で遊んでいることが多いです。
30点でも良いからとりあえず完成させる
私自身は知識を得ることから始めることも多いし、何事もスタートが遅いですし、時間を無制限に使うことも多いです笑
ただ、色々なクセはあるとしても、前に進むことを意識して、50点でも30点でも、なんだったら10点でも良いので、完成させることを目的にして、楽しみながらフィギュア作りを進めていっていただければ良いなと思います。
いきなり作品作るのに抵抗がある方のための油粘土3選
油粘土は小学校などで使っていた方も多いのではないかと思います。
自由な造形が楽しめて、何度使っても固まることがないので、納得のいくまで作りこむことができます。
最近の油粘土は無臭のものや、柔らかい粘土や、フィギュア造形用の硬度の高いものも出ています。
柔らかい粘土は扱いやすい反面、人型を作って立たせることは難しいです。
硬度の高い粘土は、硬くてやや扱いづらいですが、フィギュアの原型を作れるものもあり、油粘土のみで原型完成を目指すことも可能です。
デビカ油粘土 徳用の1KG 白
きめが細かく、手触りの良いレギュラータイプの油粘土。
【商品サイズ】W160×D38×H95mm
【重量】約1000g(包装資材含む)
【材質】炭酸カルシウム、石粉、石鹸、鉱油
瀬戸製土 油粘土 レオン油土 1kg赤ラベル
モデリング用としても使える高品質な油粘土。
赤ラベルはスタンダードな硬度で、黄色は中硬度、紫は高硬度と硬度を選択することができます。
美術・工学・彫刻などのアートデザインやハンドメイドデザインなどに活用されています。
油粘土特有の匂いがあります。
硬度については好みが別れそうな粘土です。
硬すぎる場合はドライヤーなどで温めてからこねると良さそうです。
【商品サイズ】13 x 8.5 x 5.7 cm
【重量】約997.9 g(包装資材含む)
GSIクレオス(Creos)Mr.クレイ2 (型取用油粘土)
型取りに最適な粘土で、シリコンや原型に粘土が残りにくいです。
硬度があり、きめ細かくこしがあります。
私自身はこちらの粘土を購入しており、フィギュアを作るというよりは、小さなパーツの複製したり、凹みを作ってその中に硬化レジンを流し込んでブロックの代わりにできるかも?などと思っています。
油粘土特有の匂いがあります。
シリコンからの剥離性は良いようですが、気温や湿度などの要因で変化するかもしれません。
【商品サイズ】18.39 x 8.71 x 3.61 cm
【重量】約500 g(包装資材含む)
油粘土でも完成を目指すことができる
個人的には油粘土は練習用として使っていましたが、硬度の高いものになると原型完成させることもできます。
遊んでいるうちに良いものが出来た!ということもあるかもしれません。
クォリティの高いものを作りたい!と思うと同時に、遊ぶ感覚で楽しむことを忘れないようにしていきたいと思います。